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PCメモ
PC関係のメモ、気付いたこと。 simhとChromium OSをいじって遊んでいます。 Chromium OSのカスタムビルドを配布しています。(http://chromiumosde.gozaru.jp) twitter: @zui22904336 PGP fingerprint: 45FC 0E47 A68A FA06 02FE 2BEF B72C C6E6 F9FF 1C19
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2024/04/29 (Mon) 14:23
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2014/04/12 (Sat) 16:25
# '15.03.24 一部古い記述を修正しました。

以前の記事
でChromium OSのビルド方法を書きましたが、この方法だとFilesアプリを起動したときにローカルのダウンロードフォルダは見えるのにGoogleドライブのほうは開いてみても中身が全然見えない、という問題がありました。

これはFilesアプリがGoogleドライブにアクセスする際にGoogleのAPIを使用しており、APIにアクセスするための認証キーが存在しないためにアクセス権エラーになっているのが原因でした。
エラーの内容は、Chromiumブラウザを起動してchrome://drive-internalsにアクセスするとみることができます。


赤字でHTTP_FORBIDDENというエラーがたくさん出ています。これが認証キーがないために起きるエラーです。
Chromium(OSに限らない?)のAPI Keyに関する情報の詳細は以下の公式サイトのページに書いてあります。

API Keys (http://www.chromium.org/developers/how-tos/api-keys)

これによると直し方は2つあって、ビルド時にAPIキーを埋め込んでしまう方法とインストール後にAPIキーをファイルに書き込む方法があります。

今回は後者の方法を使って対策します。あと、対策するのはFilesアプリのGoogleドライブ連携だけです。ほかはまた問題が見えたら対策しようと思います。

Chromium-dev グループへの参加


上に書いたAPI Keysの解説ページにはGoogle GroupのChromium-devに参加しないと使えないAPIがある、という記述があります。
ただ、Googleドライブと連携するためのAPIはChromium-devに参加しなくても使えますので、面倒ならここは飛ばしても構わないと思います。

とりあえず今回は上の記事に従ってChromium-devに参加してみます。

まずhttps://groups.google.com/a/chromium.org/forum/?fromgroups#!forum/chromium-devにアクセスします。以下のように表示されるので「投稿するには~」の青いボタンをクリックします。



「Chromium-dev」グループに参加という画面が出るので「このグループに参加」をクリックします。メールを受け取るのが嫌なら真ん中の「新しいメッセージごとに~」のコンボボックスを「更新情報をメールで受け取らない」に変更しておきます。



これでChromium-devへ参加できました。続けてAPIの有効化を行います。

Google API の有効化


Google APIを使えるようにするには、Google Developers Consoleというページにアクセスして、使いたいAPIを有効化し、かつAPIにアクセスするための認証キーを発行してもらう必要があります。今回作業する範囲ならGoogleアカウントさえあれば、費用は掛かりません。

まずhttps://cloud.google.com/consoleにアクセスします。以下のようなページが表示されるので赤い「CREATE PROJECT」ボタンをクリックします。

IE9ではうまくアクセスできませんでした。FirefoxやChromeを使うのがお勧めです。



New Projectという画面が表示されるので、適当な名前を入力し、2つめのI have read and agree to all Terms of Service for ~をチェックして Createをクリックします。



しばらく待つとプロジェクトが作られるので、左側のメニューからAPI & authをクリックします。APIの一覧が表示されるので「Drive API」を探して右側の「OFF」ボタンをクリックして「ON」に変えます。



ちなみに、上に書いたAPI Keysのページには、有効にしておくといいAPIとして以下のものがあげられています。(逆に肝心のDrive APIのことは書いてありません。それでちょっとはまりました)

  • Google Cloud Messaging for Chrome
  • Google Maps Geolocation API
  • Time Zone API
  • Chrome Remote Desktop API
  • Chrome Spelling API
  • Chrome Suggest API
  • Chrome Sync API
  • Chrome Translate Element
  • Safe Browsing API
  • Speech API
  • Google Now For Chrome API

赤字で示したものはChromium-devグループに参加していないと使えないAPIです。必要に応じて有効にしておくといいと思います。

ちなみにChrome Remote Desktop APIを有効化しなくてもChromium OS上でリモートデスクトップは使用できました。このAPIがどこで役立ってくるのかはよくわかっていません。

続けてAPI Keyを発行します。

API Keyの入手


ここまででAPIの有効化ができましたが、このAPIをChromium OSから使えるようにするためにはAPI Keyを入手しておく必要があります。API Keyの入手もGoogle Developer Console上で続けて行います。

API Keyと一口に言っても、実際には以下の3つがあります。

  • Client id
  • Client Secret
  • API Key

この3つをすべて入手する必要があります。

まず左のメニューのAPI & Authの下にあるCredentialsをクリックし、OAuthの下の赤いCREATE NEW CLIENT IDをクリックします。



Create Client IDという画面が出るので、Application typeをInstalled application、 Installed application typeをOtherにしてCreate Client IDという青いボタンをクリックします。



画面右側に"Client ID for native applicationという枠が表示されます。ここのClient IDとClient secret(赤丸で囲んだもの)をあとで使います。
続けて、下のCreate New Keyという赤いボタン(青丸で囲んだもの)をクリックします。



Create a new keyという画面が出るので、左から2番目のBrowser keyボタンをクリックします。



Create a browser key wnd configure allowed referersという画面が出るのでそのままCreateという青いボタンをクリックします。



Key for browser applicationsという枠が新たに表示されます。ここのAPI Keyをあとで使います。




これで必要な3つのキーがそろいましたので、Chromium OS上でAPI Keyの設定を行います。

API Keyの設定


上のAPI Keyのページでは、入手したAPI KEYを環境変数に設定するようにと書いてありますが、実際の設定場所が書いていません。単にchronosユーザの~/.bashrcに書いてもうまくいきません。設定先は/etc/chrome_dev.confというChromiumブラウザの設定ファイルに行います。

まず、Chromium OSを起動してCtrl+Alt+F2を押してターミナルを開き、ユーザchronosでログインします。パスワードは使っているChromium OSのビルド時に設定した値ですのでまちまちです。ArnoldThaBat版を使っているなら"password"です。

/etc/chrome_dev.confはルートパーティションにあります。Chromium OSはルートパーティションをリードオンリーでマウントしますので、リードライトでマウントしなおします。
chronos@localhost / $ sudo mount -o remount,rw /

We trust you have received the usual lecture from the local System
Administrator. It usually boils down to these three things:

    #1) Respect the privacy of others.
    #2) Think before you type.
    #3) With great power comes great responsibility.

Password:

ルートパーティションをリマウントしたらchrome_dev.confを編集して、上で取得したClient ID, Client Secret, API Keyを書き込みます。
chronos@localhost / $ sudo vi /etc/chrome_dev.conf 

GOOGLE_DEFAULT_CLIENT_ID=(上で取得したClient ID)
GOOGLE_DEFAULT_CLIENT_SECRET=(上で取得したClient Secret)
GOOGLE_API_KEY=(上で取得したAPI key)
(略)

とりあえずこれで作業は終わりです。この後リブートするのですが、GUI側でログインしている場合はCtrl+Alt+F1を押してGUIに戻ってGUIセッションからログアウトしてください。ログアウトせずに再起動すると再起動後にエラーが出ることがあります。
それからChromium OSを再起動すればGoogleドライブの内容にアクセスできるはずです。



Googleドライブの内容が見えるようになりました。最初に見たchrome://drive-internalsを見てみても赤字のエラーは消えています。



なお、Chromium OSのメジャーなビルドの1つであるArnoldTheBat版もAPI Keyが埋め込まれていないため、今回記事にした方法でAPI Keyを有効にする必要があるようです。

ちなみにHexxeh版はこの作業を行わなくてもGoogleドライブにアクセスできます。おそらくビルド時にAPIキーを埋め込んであるんだと思いますが、上にURLをのせた公式サイトのAPI Keyのページには

Note that the keys you have now acquired are not for distribution purposes and must not be shared with other users.

とあるんですよね。distribution OKなAPIキーをどこかで入手したんでしょうか。それともChromium-devに参加しなくても使えるAPIなら公開してもいいのかな?
このあたりはまだよくわかっていません。

'15.5.15 追記:同じような質問がこちらにありました。
回答を引用すると

"not for distribution purposes" refers to the keys themselves, not the binaries that you build that use those keys,

だそうです。Keyそのものを公開しなければ、Keyを組み込んだバイナリを配っても別に問題はないみたいですね。

ただ、GoogleのAPIにはAPI Key単位でQuota(単位時間当たりのAPIアクセス回数)が決められていて、Quotaを超えるAPIアクセスは全部エラーで跳ねられます。ビルド時にAPI Keyを埋め込んでしまうと、そのビルドを使っているユーザ全員がそのQuotaに縛られるので、ある時突然Googleドライブにアクセスできなくなる可能性があります。そういう意味では自分で専用にAPI Keyを取っておいたほうが安心かなとも思います。
 
  
 
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